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すずめの保護
これからここに書くのは、自分の気持ちの整理と、記憶をとどめておく為、なので、

お暇と、興味のある方は、ご覧ください。

長文です。







梅雨の只中、

ぽつりぽつりと雨粒は落ちるけれど、今のうちならばいぬくんの散歩に行けると、傘を片手に散歩に出かけたある日のこと。

いつもの散歩道の駅前の踏切で、電車が通り過ぎるのを私といぬくんは待っていた。

人通りの多い踏切、遮断機が開くと、一斉に10人ほどが歩き出した。

私も一緒に歩き出そうとすると、右の端にいたOLさんのような女の人が一人、歩き出さずにジッと下を見てるのに気がついた。

ゴミの溜まった溝あたりをジッと見ている。

何か落し物でもしたのかとちょっとその女性のことが気になったけれども、いぬくんも歩き出すし、その女性も下を見ているだけで、拾いたいような素振りも見せなかったので、そのまま私は踏切を渡り切った、その時、女性は諦めたのか、クルリと回れ右をしてどこかに行ってしまった。

「散歩の帰り道にまたこの踏切を通るし、何があったかその時ちょっと覗いてみようかな・・・」

と、なんとなくその女性の行動が気になった私は、うっすらそんなことを考えていぬくんの散歩を続けることにした。

それから30分ほどの散歩中、その事は殆ど忘れていたけれど、また踏切にさしかかって、そうださっき・・・と思い出し、その女性が覗いていた辺りに近づいてみると、

見るより先に、耳に届いた。

「チュン、 チュン、  チュンチュン」

鳥の声がする。

しかも、きっと雛の声。

「あぁ、さっきの女の人も、この声に気づいたんだ。」

と、すぐに気づいたけれど、どうにもその声の主の姿が見えない。

それにしても、こんなゴミだらけの溝。ここに「巣」がある訳でもなし、絶対にはぐれた雛なのはその場所を見ただけでわかる。

私はどうしてもその場所をそのまま去ることが出来ずに声の居場所を目で探した。

だけど、チュン、チュン、チュン、と途切れなく声だけは聞こえるのに、姿がどうしても見つからない。

電車を一本やり過ごして、ゴミをどけて、5分ほど経って、ようやく見つけた。

思ったよりも近くに「その子」はいた。

ゴミと同じ色で、溝の闇に紛れてた。

手を伸ばすと届く位置だったので、そっと包んで私の目の前に持ってくると、

それは「すずめの雛」だった。

どうも顔の辺りに怪我をしているようだったので、これはいけない、と右手で柔らかく包んで、家に連れて帰ることにした。

途中いぬくんがその右手を気になって仕方ない様子だったけれど、いぬくんとの接触は絶対に避けないといけないので、必死に落とさないように家までの5分間、急いで歩いて帰った。

玄関先にいぬくんを繋ぎ、とりあえずこの子の居場所を作らないといけない。

うちにはいぬくんが来る前にセキセイインコがいたので、そのインコのカゴ、そして、ヒナ用の小さなカゴがあったので、そのヒナ用のカゴをまず探さないと、とその雛をとりあえず新聞紙で大きくくるりと包んで逃げないようにして、クローゼットを開けて小さいカゴを探す・・けれども、見つからない。

単純に暑いのと焦っているのとで、びっくりするくらい汗が出たけれども、そんな汗も気にならないくらいに私の気持ちは急いていた。

だけど、どうしても小さいカゴが見つからないので、しょうがないやと、成鳥用の大きなカゴを組み立てて、とりあえずそこに雛を入れて、一安心する。

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といっても、そこで終われず、問題は、

「さぁ、すずめの雛はどうやって生き延びさせればいいのか」ということ。

今度は急いでパソコンを立ち上げ、ネットで「すずめ 保護」と検索すると、色々と情報が出てきたので、ざっと見て、プリントアウトする。

まず、急いでやらないといけないのは「餌」の問題らしい。

すずめの雛は1、2時間おきに餌を食べないといけない。とあるけれど、あの女の人が覗いていた時からもう1時間は経っているし!

でも、そのホームページを見ると、餌として「ドッグフード」をあげるという手があるらしいということがわかった。

運がいいことに我が家には「ドッグフード」がある。

それをお湯でふやかす。そして、その餌を乗せるヘラを割り箸を削って急ごしらえして用意する。

そしてあげようと思うけれど、まず、私は親鳥でないので、雛は口を開けてくれない。

だけど、無理やりにでもあげないと雛の命は危ないので、くちばしの間に爪を入れて開け、ヘラを押し込んでみるけれど、うまく入らない。奥の方に入れないと気管に入ってしまうらしいけれど、その前にヘラから餌が落ちてしまう。

しょうがないので指で餌をつまんでなんとか押し込むと、

「ごっくん」

と雛が飲み込んでくれた。

「やった!」

鳥は首の下あたりに「そのう」という餌を溜めておく袋のようなものがあり、そのそのうがいっぱいになるのは外から見てもわかるので、そのそのうが膨らむまでなんとか餌をあげることができた。

あぁ、よかった。

そこでその雛を落ち着いて見てみると、本当に汚れているのに改めて気がついた。

何やらよくわからない汚れが至る所にこびりついている。

今度はぬるま湯でガーゼを濡らして雛を拭いてみると、拭いても拭いてもガーゼに茶色い汚れが移ってくる程に雛は汚れていた。

そして、頭のてっぺんから上くちばしの先っぽまでどうやってなったのかわからないけれど、ズルリと剥けているのである。

頭は毛が抜けているだけのように見えるけれど、くちばしは血が滲んでいて痛々しい。まだ傷も乾ききっていないようで、怪我をしてからそう時間も経っていないのかもしれない。

雛の羽根は、まだストロー状の膜に覆われている部分がたくさんあり、お腹の周りは羽根が生えていない状態だった。つまり、まだ「飛べる」状態ではないということ。まだ親鳥から餌をもらって巣でぬくぬくと過ごす、そんな時期だということ。

だけど、この雛は、ピョンピョンと跳ねることは出来るので、それであの溝に入ってしまったのかもしれない。

鳥の成長が驚くほど早いのは、インコを育てた経験からもわかっているけれど、この雛が飛べるようになるまで、とりあえず1、2週間は面倒を見る覚悟がいるかな。と、心の中で思う。怪我の状況によっては、治っても自然では暮らせないかもしれないし、どうなるかわからないけれど、こうやって家に連れてきたからには精一杯面倒を見ないと。責任を感じる。

と、この辺りで家に帰ってから1時間半ほど経ってしまった。

玄関先でいぬくんが「つまらない」という顔をして、でも、大人しく待っていてくれたので、急いでいぬくんの足を洗ってあげる。

だけど、この時はさすがにいぬくんと遊んであげることも出来ずに、私の頭の中は雛の事ばかり。

餌をあげるヘラは割り箸じゃ役立たずで、「ピンセット」があればいいらしい。
餌はドッグフードよりも「メジロのすり餌7分」というのがいいらしい。
カゴもこれじゃ今の雛にはちょっと大きすぎる。
温度は30度、湿度は60%がいいらしい。これは季節柄このままで問題なし。
病院に行ったほうがいいのか?でも野鳥は診てくれないって聞いたことあるし。
などなどなど。。。

とりあえず、「ピンセット」と「メジロのすり餌7分」と「小さいカゴ」を探しに買い物に出ることにした。

早く帰ってこないとまたすぐ餌の時間だし、と、気もそぞろに家をでる。

歩きながらも色んな事が頭を駆け巡る。

そこで、

「そうだ。名前は”すずちゃん”にしよう。」と思いつく。

すずめのすずちゃんだなんて、安直だけれど、響きが可愛い。

大きくなって性別が分かって、オスだったら「すず太郎」、メスだったらそのまま「すず」がいいかなぁ。なんて思いながら歩く。

そして、スーパーに着いたけれど、「メジロの餌」なんてそう簡単に売ってないだろうな、と思ったら、案の定、スーパーのペットフード売り場にはインコの餌しか売っていない。

その時歩いて回れる店にはどこにも売っていなそうだったので、この時の買い物は「ピンセット」と「小さいカゴ」だけにすることに。

小さいカゴは100均でプラスチックカゴとバーベキュー用の網でなんとかすることに。

短い時間だけれども、雛を留守番させたことにソワソワする。

いぬくんはケージに入ってるから悪さをすることはないけれど、

雛の小さな小さな小さな体、いつ一体何が起こるかわからない。

玄関を開けると、

「チュン チュン」

と聞こえて来た。

あぁ、よかった。元気にしてる。

いぬくんの届かない場所にカゴをセットして、いぬくんもケージから出してあげると、雛のことがとても気になる様子。

「すずちゃんって名前にしたよ。いぬくんとは遊べないけど、大事にしてね。」

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こうやってみると、いぬくんの6㎏の体が頑丈でとても強いものに見える。

吹けば飛んでしまいそうな小さなすずちゃんの体がとてもとてもか弱くて、ちょっと切なくなる。

だけど、元気に「チュンチュン」鳴いてくれると、それはとても大きな声で、私を「よし!」という気分にさせてくれる。

この後、小さなカゴに入れ替えて(そうした方がティッシュのクッションで体が安定しやすい)、二度目の餌をあげて、今度は家のご飯の用意などをする。


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そんな時も「チュンチュン」と鳴くすずちゃん。

すると、リビングの窓にパタパタパターと、何かがやって来たのがふと目に入った。

見ると、それは「すずめ」で、入りたそうに飛ぶけれど、網戸にしていたので入れず、私が「あっ」思って近づいたら、もういなくなってしまった。だけど、窓を開けて見てみると、隣の家の屋根にすずめがとまっていた。

しばらく見ていたら飛んでいなくなってしまったけれど、あれは絶対すずちゃんの声を聞いてやって来たんだろうなと思う。

本当の親鳥ではなさそうだけれど、「雛」の声はわかるんだ。

また来てくれたら窓を開けておくのに、と思ったけれど、それ以降は来てくれなかった。


ネットの情報によると、すずめの雛は夜7時か8時くらいが最後のご飯でその後は朝まで寝ている、ということなので、7時半に餌をあげて、寝室の隣の静かな暗い部屋に置いておくことにした。

その後も気になってそーっと何度か覗きに行っても、すずちゃんは頭を背中にまわしてしっかりと寝ていたので、初日はとりあえず乗りきれたみたい、と、やっと少しホッとする。

いぬくんを抱っこしてオットの仕事部屋に行くと、

「やっといぬくんにお母ちゃんが返って来たな」

と言われるくらいに、この日はすずちゃんにかかりっきりだった。

そして、オットに

「こういう保護したのって、一晩越すかが大事だよね」と言われ、確かにそうかもと思い、またソワソワする。

寝る前にまたネットで情報収集をすると、

「雛は3時間食べないと命が危ない」

なんてことを読み、「3時間がリミット」という恐怖が私の中に植え付けられる。

そして、自分も寝ようと思うけれど、色んな事が気になってなかなか寝付けない。

そんな中、明日は電車に乗って大きなホームセンターの中にあるペットショップに行ってみよう。そこにならメジロの餌も有りそうだし。と決めた。


いつの間にか眠っていたけれど、朝5時、隣の部屋から

「チュンチュン」という声がしてきて目が覚める。

「あぁ、生きてた。よかった。」と、ベッドの中でこっそり一人頬を緩ませた。

そして、眠い目をこすり、ドッグフードにお湯をかけて10分ほど待つ。それをつぶして、さぁ、朝ごはんの時間。

私の餌やりももうコツを掴んできて、まだ口を自分からは開けてくれないすずちゃんだけれど、あまり負担なくあげられるようになってきていた。

これですずちゃんがもっと私に慣れてくれたら、私が近づいたりしたら自分から「ごはんちょうだい!」と大きく口を開けてくれるようになるはず。そんなことを思いながら、二日目が始まった。



さらに2回ご飯をあげて、昨日の夜思っていたホームセンターに行く事にした。

そこのペットショップに着いて、鳥売り場を見てみると、すり餌の「3分」と「5分」は売っているけれど、「7分」がない。この◯分とは動物性たんぱく質の割合のことで、3分→5分→7分と割合が増えるのだけれど、雑食のすずめには「7分」がいいらしい。

なさそうとは思ったけれど、鳥売り場に居た「鳥詳しいです」という顔をした女の店員さんに、

「すり餌の7分はありませんか?」

と聞いてみると、やはりないとの返事。

そうは言われたけれど、ちょっと詳しそうな人だったので、

「あの・・・すずめの雛を保護したんですが、すり餌の7分がいいって聞いたんです」

と、言ってみると

「え?すずめですか。それは難しいですよ。」

とピシャリと言われてしまった。

「すずめは虫を食べないとダメなんです。だからインコみたいに一般に飼育もされていないし。すり餌なんて人工のものではダメなんです。それに病院でも見てもらえませんよ。ペットショップでもだめです。国に窓口があるので、そこで問い合わせたらいいかもしれないですけど。」

とのこと。

だけど、今現実にうちにいるすずちゃんに餌をあげないといけないので、もう少し詳しく聞いてみると、

「ドッグフードはダメ。脂が多すぎるから。ペットショップで買える餌だと、ミルワームっていう幼虫だけれど、ちょうど今欠品していて、今はコオロギしかうちにはないです。コオロギでもいいけれど、ミルワームの方が扱いやすいです。」

という。

ミルワームというのは私もネットで見て知っていた。雛には「頭をつぶしてからあげる」と書いてあって、「ひゃ~」と思っていたけれど、今買えるのはコオロギだけと・・・

「コオロギなんて触ったことないし・・・」

と少し私が怖気づくと、

「だけど、それが雛を拾った人の責任なんです!」

と、さらにピシャリと言われたので、それはもちろんその通りだけれど、ちょっとその店員さんが怖くてへこんでしまった。。。

「そのコオロギはどうやってあげれば?」

と聞くと、

「包丁で細かく切り刻んでください」

・・・。

「・・・・・・分かりました。じゃぁコオロギをください」

コオロギ10匹購入。

しかも、SサイズとMサイズとあるうちの「M」にしてくださいと言われ、Mを袋に10匹入れてもらう。

Mは、見るからに「大きい」。長い触角がヒョンヒョン動いている。おしりからもなんか変な棘みたいなのが生えている。そして、餌用にだと思うけれど、「羽根がもいである」。・・・もうゴキブリを見るのと同じ気分なのである。

コオロギを切り刻むことを考えると、ミルワームの頭をつぶすことの方が100倍簡単な気がしてくる。

だけど、こっそりその店員さんが見ていないところで「すり餌5分」も持ってきて、レジに並ぶ。

だって、店員さんは「すり餌なんてだめ」って言ってたけど、ネットのすずめ専門のページで「ミルワームはあげすぎるとだめです。すり餌をメインにあげてください」って書いてあったから。

それに、まず、家に帰ってすぐにコオロギを切り刻む勇気がないから・・・。

帰りの電車の中でどうやってコオロギを切るか頭の中でシュミレーションしてみるけれど、どうやっても怖い。

怖い。けれどもやらないといけない。

オットが帰ってくるまで待とうか、で、オットに頼んでみようか、と弱気になったりもしながら、帰宅。

電車もすぐ乗れたので、案外短い時間で行って帰ってこれた。

そこで、思う。

家から自転車でしばらく行った所に「小鳥屋さんがあった」ことを。

その小鳥屋さんを見たのはもう5年も前のことで、おばあさんが一人でやっている店なので、今はもうやっていない確率は80%位だと思ったけれど、もしかしたら、そこにミルワームが売ってるかもしれない。すり餌の7分が売ってるかもしれない。

もし、そこの小鳥屋さんがやっていなくてももう少し行った所にあるホームセンターにすり餌が売ってるかもしれない。

すずちゃんは大人しくカゴの中でじっとしているし、私は急いで自転車の鍵を握って、また玄関を出た。

いつもなら押して歩く上り坂も頑張って漕いで、小鳥屋さんに着いたら、

・・・やっぱり閉まっていた。しかも、定休日というよりはもう営業していない感じ。

ほら言わんこっちゃないと自分にツッこみながらも、さらに自転車を飛ばしてホームセンターへ。

そこの鳥の餌コーナーには、「3分」と「5分」と「メジロ用すり餌」の3種類が置いてあった。

「7分」というのはない。でも、この「メジロ用すり餌」というのは一体何分なんだ??

どこを見ても書いてない、けれど、メジロ用とあるから、これがいいのかもしれない。だけど、間違って買ったら元も子もないし。

と思いながらその餌のパッケージの裏を見ていると、メーカー名とフリーダイヤルが書いてあるのが目に入った。

周りを見渡しても、店員さんもお客さんも誰もいないので、そこで携帯を取り出して、フリーダイヤルに電話をしてみた。

「はい。◯◯ペットフードのSです。」

と女の人が電話に出たので、このメジロ用のすり餌は何分ですかと聞いてみると、「3分」とのこと。

あぁ、だめだった。と思ったら、そのSさんが

「7分というのはメジロにあげるのですか?」

と聞いてきたので、

「いや、実はすずめの雛を保護しまして・・・云々。」

と説明をすると、

「そうでしたか、すずめは虫を食べないといけないですからね」

とペットショップと同じ事を言われ、

そして、

「ミルワームっていうのをあげるといいんですけど、それも大変ですしね」

と言われたので、

「あの・・・コオロギっていうのはどうなんでしょうか?」

と、Sさんの話し口調が優しかったので、思わず商品に関係ないことを聞いてしまったら、

「コオロギですか。コオロギは硬いですからね。成鳥になったらいいですけど、雛は消化するのが難しいかもしれないですね。」

と言われ、あのペットショップで「Mにしてください」といった店員さんの顔が頭をよぎる。

あんな大きな虫、硬いに決まってる・・・。Sさんの言う通りだと思う。。。

落ち込む私に

「頑張ってください!」

と電話越しに言ってくれたSさん。ありがとう。

ペットショップでへこんだ私、Sさんのお陰で少し元気が出ました。

結局そのホームセンターでも7分のすり餌は買えなかったけれど、とりあえず5分をあげてみようと、すり餌に混ぜる小松菜をそのホームセンターの地下の食料品売り場で買って、また急いで自転車にまたがった。

帰り道も普段より早く自転車を漕ぐ私の横をチュンチュンと大人のすずめが飛んでたりするのを見て、

「あぁ、健康なすずめはきれいなんだなぁ」と思う。

すずちゃんの頭とくちばしは、そのオトナのとは全然違う見た目だしなぁ、あんな風にきれいに治ればいいのにな、と思いながらも時計を見ると、もう前回の餌から1時間40分ほど経ってしまっている。

前日の夜に見た「3時間リミット」の恐怖が襲ってくる。

早く帰らねば。

そして、家に着き、急いで小松菜をすって、すり餌をこねて、

「お待たせすずちゃん!」とすずちゃんを抱き上げると、あれ・・・「そのう」にまだ餌が入ってる。

嫌な予感がする。

雛はどんどん餌を食べて、どんどんフンをして、そのうはあっという間に空っぽになるはずなのに。

それに、すずちゃん「鳴いてない」。

朝まであんなにチュンチュン言ってたのに。

そのうがへこんでないのに新しい餌も入らないよな。でも、そんなことしてたら3時間経っちゃうし。コオロギがどうとか言っている場合じゃない。

どうしようどうしよう、と思っていても、どうしようもできなくて、

少し砂糖水をくちばしの間からさしてあげて見守っていたら、

それから30分ほどで、そのうの中が半分くらい減ったので、すり餌をあげたら食べてくれた。

でも、

でも、すずちゃんは鳴かない。

それまで上を向いていた顔が、人間が眠くて船を漕ぐように、かくん、かくん、と下がってしまう。

だけど、一生懸命上を向こうとしているのはよくわかる。

頑張れ頑張れ。

何度も頭を下げてしまうけれども、2本の細い脚で踏ん張って、頑張っているすずちゃん。

その姿を見ている時、なんだか、例えば友だちの子どもを預かったのに、その子どもに熱が出てしまって、ごめんねってその友だちに思っているような、そんな気持ちに私はなっていた。

すずちゃんは誰かから預かったペットではないから、具合が悪くなって謝る相手はすずちゃん本人だけかもしれないけれど、そういうことじゃなくて、
それは、誰か知り合いとかではなくて、それは、「親鳥」だったり「自然界」だったり、そういう相手で、

そういう相手に、うまく面倒を見てあげられなくて、ごめんなさい。

そう、その時私は思っていたのかもしれない。


それから1時間ほどしたら、すずちゃんはなんとか頑張って頭を上げていることが出来るようになった。

でも、鳴かない。

頭をあげて立ってるだけで精一杯なのかもしれない。

さらに1時間後、「ご飯の時間だよ。」と言っても、そのうはやっぱり膨らんだまま、フンも全然していない。

「食べないと元気になれないんだよ」と言っても、なんていうか、もうそういう問題じゃないのは、頭では認めたくないのに、見ていると伝わってくる。

さらに1時間、そのうはそのまま。

目はもうずっと閉じたまま。

呼吸をする体の動きだけが、すずちゃんの頑張りを伝えてくれる。

このままじゃいけないのは分かっているけれど、どうすればいい??どうしたらいい??

新しく小松菜をまたすって、すり餌を用意してみたけれど、飲み込む力ももうない。

そこでオットが帰ってきたので、すずちゃんの姿を見てもらった。

何も言わなくてもオットにももう伝わるほどの姿だった。

何も出来ないけれど、何かしてあげたくて、

砂糖水をまたほんの少しくちばしの端にあててあげた。

すると、すずちゃんは口を開けて、舌を小刻みに動かして、砂糖水を頑張って飲んでくれた。

だけど、それで回復することが望めるというほどの気力は、もうすずちゃんにはなかった。

それからしばらくすると、片方の羽根を広げ、すずちゃんはこてんと横になってしまった。

鳥は絶対に横にならない生き物だっていうことは知っていた。常にいつでもどんな時でも2本の脚で立ってる、それが鳥なのに。

それが、出来なくなってしまった。

それは、その時なんだ。

その直後、上になった方の脚がぐっと伸びて、

すずちゃんの呼吸が止まった。



「絶対もう帰ってこない」

痛いほどに一瞬で、その事実が私の胸に突き刺さった。



それまでは弱々しいけれども力強く、命は私に伝わってきていた。

それが、もう、まったく手の届かないところに、どれだけ探しても見つからないところに、

その瞬間を堺に、行ってしまった。


私はこの時、生まれて初めて、生き物の命が絶える瞬間を目にした。

今まで色々大事な生き物を亡くしてきたけれど、その瞬間は私の見ていない間に訪れていた。

でも、すずちゃんは私の目の前で、その瞬間を見せた。



・・・守って、あげられなかった。


結局、私は何をしたんだろう。

すずちゃんのために何かなったんだろうか。




そのまま一晩、寝室の隣の部屋にすずちゃんは置いて、

翌朝オットと庭に埋めてあげようということになった。


慌ただしくしていたのに、急に何もすることがなくなって、心がポカンとしてしまった。


その夜、激しい雨が降ってきて目が覚めた。

その時、ごうごうと雨が窓を打ちつけているのを聞いていると、自分に都合のいい「もし」が頭をよぎった。

もし、あのまますずちゃんを連れて帰らなかったら、そのまますずちゃんはあの汚いゴミにまみれた溝で死んでいたかもしれない。

もし、あの時、親鳥がそばにいて、餌をすずちゃんに運んであげていても、まだ飛べないすずちゃんは、こんな強い雨に打たれたらひとたまりもなかっただろう。

そんな「もし」で少し自分をなぐさめてみたけれど、

やっぱり申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


朝になると、雨雲はどこかに去り、青い青い空が眩しいほどに広がっていた。

たった2日間の付き合いだったけれど、私の心に色んなものを教えてくれたすずちゃん。

すずちゃんの役に立てなくて、本当にごめんね。

でも、つたない私と一緒に頑張ってくれて、ありがとう。


そう思いながら、オットが掘ってくれた穴にそっとすずちゃんを横たえた。



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【2012/07/16 19:07】 おもひで | トラックバック(0) | コメント(8) |
8月9日
ねぇねぇ、いぬくん、


今日は何の日だか知ってる???


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(↑本当にそう聞いてる時の表情です)


覚えてないよね~。


でも、コレーさんは覚えてるよ。




8月9日は、



いぬくんが、うちに来た日なんだよ。






と、いうことで、

今日は、思い出の写真を並べてみたいと思います。




いぬくんに出会ったのは、とあるペットショップ。

オットがひとめぼれしました。

「犬を飼う」というのは、やっぱりとっても生活が変わることだと思っていたので、コレーさん、不安というか、何というか、覚悟が必要だと思っていました。

コレーさんも実家にいる時に飼っていたので、犬のいる生活を知らないわけではないけれど、その時はハハが世話をしていたので、

結婚した今、飼う、ということは、コレーさんが中心にお世話をするということ。

即決は出来ませんでした。

だけど、2週間、考えて、考えて、

まだいたら・・・決めようか。

と、オットと再度見に行ったら、






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いたんだよね、いぬくん。(2万円安くなって 笑)  ペットショップにて撮影。

その時は、いたら飼う!と決めていたので、もう覚悟は充分。

我が家にやってくることになりました。

そして、

2009年8月9日、

我が家にやってきました。


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来た日の写真。

小さくて、なんとも愛らしい。


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キャリーケースをケージに入れるよう勧められたので、はじめ、そうしましたが、なんとも狭かった・・・。

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初めての我が家でのごはん。しっかり食べていい子でした。




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笑顔の表情は小さい時からお手の物。


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初めてのお散歩。


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すぐ近くをくるっと一周するだけで、20分かかったね。


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やんちゃっぷりは、もうはじめっから。


色々と、心配させられたり、困ったりしたことはあったけれども、

すくすくと、元気いっぱい育ちました。


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この時で、生後5ヶ月くらい。


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コレーさんの実家にて。









・・・もう2年というか、まだ2年というか。

いつになったら落ち着くんだ、この子は!!と思っていたら、急に最近落ち着いてきたいぬくん。

でも、まだまだやんちゃっぷりは健在で、本当の「落ち着き」を見せるのは、もう少し先かもしれないけれど、

そんな性格も何もかも全部ひっくるめて、

いぬくんは、もう完全に我が家の一員です。



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これからも、たくさん笑顔を見せてね。

3年目もよろしく。

【2011/08/09 15:27】 おもひで | トラックバック(0) | コメント(4) |
ハルーちゃんのおもひで
雨が続いて、ちょっとしんみりした気持ちになったので、

今日は、ハルーちゃんの思い出を書きます。


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2007年の夏、

我が家にちっこいヒナがやってきました。

セキセイインコの「ハルーちゃん」です。

セキセイインコは、ヒナのときはオスかメスかがわからないので、名前は「ハルちゃん」と決め、我が家へ迎い入れました。

大きくなって性別が分かったときに、メスなら、そのまま「ハルちゃん」。オスなら「晴太郎」にしようと思いました。

でも、結局ほぼ「ハルーちゃん」と呼ばれていました。

ハルーちゃんはコレーさんの手からもりもりと餌を食べ

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かわいい手乗りインコに育ちました。

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セキセイインコのオスメスの違いは、鼻の色で見分けます。

青いとオス、肌色だとメスです。

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このころは、まだヒナに近い頃で、性別は分かりません。

全身つるっつるですごく愛らしかったです。

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その後、徐々に鼻の色が変わっていき、

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ハルーちゃんは、男の子だったことが判明。

正式に「晴太郎」と命名されました。

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セキセイインコは、オスの方が、よくしゃべるのです。

ハルーちゃんも、よく、

「ハルーーーーーチャン」

や、「オトーーチャン」、「オカームニャ」とか話していました(オカーチャンの発音が苦手だったらしい)

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普段は、カゴの中ですが、時間があると放してあげ、よく肩の上に乗ってました。

嬉しいと、耳元でよくピチピチとしゃべりました。


コレーさんがカゴに近寄ると、ハルーちゃんも近寄ってきて、

真剣に、本当に真剣にコレーさんの言うことを聞いてくれました。

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どれだけでも、真剣に話を聞いてくれました。

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今の家に引っ越してきたときは、今、いぬくんのケージがあるところにハルーちゃんはいました。

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いぬくんがやってきた時、二人を一緒に遊ばせるのは危ないね、と、

いぬくんのケージにフタもしっかり用意したのに、

いぬくんを迎えてしばらくした頃、

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ハルーちゃんのフンの様子がおかしくなり(とても水っぽくなってしまったのです)、

近くの動物病院へ連れて行っても、原因はわからず、

ひょっとして、いぬくんが来たストレスかと疑ったりもしましたが、

少し遠くの鳥専門の病院へ連れて行ったところ、

「遺伝性の糖尿病」

ということが分かりました。

やはり、小さな小さな体。

人間のような治療は出来ません。

出来る限りの薬などはあげましたが、



たった、2年と少しで、


ハルーちゃんは旅立ってしまいました。



小さな小さな頭だけれど、いろいろと考えているのが、一緒にいるとわかるのです。

コレーさんたち二人のことも見分けていたし、

本当に愛らしい子でした。




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今でも、ハルーちゃんに話を聞いてもらいたいな、と思う時が、

何度もあります。


【2011/05/30 12:26】 おもひで | トラックバック(0) | コメント(6) |
ザリガニのおもひで
この間、ピクニックに行った日から、我が家にザリガニが二匹仲間入りしました(その時の記事はこちら)。


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と、いうことで、今日は、ザリガニの思い出を書こうと思います。



もう何年も前の話になりますが、

コレーさんとオットが結婚の報告に、コレーさんの祖父母に会いに行ったとき。

遠いところなので、泊りがけで行き、その際、近くの川をオットと二人で散歩しました。

きれいな川を見ていると、、、オットの少年心に火がつき、、、「生き物探し」が始まりました(笑)。

そこで見つけたザリガニと魚を、タッパーをおばあちゃんからもらって、なんと”新幹線”に乗せて連れて帰ったオット。



家で飼うことになりました。



捕まえたザリガニは、もちろん普通のアメリカザリガニですが、


「青いザリガニがほしいなぁ」


なんて言い出すオット。

コレーさんは、水のペット関係に疎いので、そんな存在はまったく知らず、そんなのいるの~??と、ネットで調べてみたところ、

どうも、


””普通のアメリカザリガニが青くなる””


ことがあるらしい・・・。


餌を白身の魚などに変えると青くなってくる。

ということで、”しらす”を与えてみることに。



その時のザリガニ君です。
DVC00133.jpg


すると、


何度か脱皮をする度に、青くなってくるんですね~。

驚きでした。

DVC00185_convert_20110511142923.jpg


そんなある日、コレーさんがひとりで家にいると、

ありえない光景を目にしました。


DVC00200.jpg

青ザリガニ脱走!!!

どこをどう、逃げ出したか、『部屋を歩いている』のです。

実は、ザリガニを触るのが苦手なコレーさん。でも、オットはいないし。


つ、捕まえねば・・・


と、その前に
DVC00203.jpg
もう一枚だけ写真を撮って(笑)

なんとかがんばって捕まえ、無事水槽に戻しました。


そんなこんなで、月日は経ち・・・


ある時またオット、ザリガニ捕獲(笑)。

今度は、近くの公園の小川です(いぬくんとのピクニックと同じとこ)。

DVC00229.jpg


この時は、小ザリガニがたくさんだったので、

最初から「青ザリガニ」を目指すことに。


DVC00319.jpg


茶色い色が抜け


DVC00246.jpg


脱皮を繰り返し


DVC00350.jpg

きれいな青ザリガニになりました。



でも、やっぱり、栄養に偏りがあるのか、あまり丈夫なザリガニには育ちませんでした。

なので、あんまりおすすめの飼い方ではありません。


今いるザリガニさんたちは、立派な赤ザリガニに育てようと思っています。



おしまい。

【2011/05/11 14:00】 おもひで | トラックバック(0) | コメント(4) |
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